『花子とアン』あらすじ第155回

>花子は大急ぎで『ANNE of GREEN GABLES』の推敲に取りかかりました。
「“カモメになりたくない?日の出と一緒に起きて水の上にサッと下りてきて…”…水の上にサッと…。う~ん、何か違うわね…」
原稿に向かう花子は自分の翻訳した文章にひっかかっていると英治が珈琲をもってくる。
「ありがとう(笑)…ねえ、カモメってどんな風に飛ぶと思う?海岸でカモメを見たアンがマリラにカモメは素敵だって言うところなんだけど…原文ではカモメが急降下して舞い降りるって意味合いの単語が使われているんだけど…」
「う~ん…飛んでるカモメって漂ってるように見えるよね?こう…海の上を、ス~ッと」
英治がジェスチャーを入れて表現すると花子の目がパッと開いた。
「それだわ!ス~ッと!水の上にス~ッと下りてきて!うん、いいわ!ありがとう!」

― その後、花子は最後の文章に取り掛かっていた。
「“神は天にあり。世は全てよし”とアンはそっとささやいた…」
>残すは、本の題名です。

― 推敲を終えた花子の家に小泉と門倉が原稿を取りにくる。
「では、これで最終入稿致します。それで、この作品の題名なんですが…「ANNE of GREEN GABLES」を直訳すれば“緑の切り妻屋根のアン”でしたね?」
「ええ。切り妻屋根という言葉は、日本人にはあまりなじみがありませんよね。そこで、幾つか考えてみました」
花子はそういうとタイトルが幾つか書かれた一枚の紙をテーブルの上に載せた。

「“夢見る少女”“窓辺の少女”“窓辺に倚る少女”…う~ん、なるほど。でもアンという主人公の名前は残した方がいいんじゃないでしょうか?例えば“夢見るアン”とか“窓辺のアン”とか」
小泉は花子に提案するが花子は難色をしめす。
「アンという名前が入ると急に想像の幅が狭められてしまうような気がしますけど…」
「それで、村岡先生は、「少女」になさりたいんですね?」
「ええ、これはアンだけの物語ではなく自分の物語でもあるのだと受け取って欲しいんです」
「それじゃ“想像の翼を持つ少女”は、どうです?」
「“グリーン・ゲイブルズの少女”は?」
3人はタイトルについて意見を出し合うがなかなか決まらなかった。

― 夜、花子はタイトルが“窓辺に倚る少女”に決まった事を英治と美里に話した。
英治は笑顔でうなづくが美里は不満を口にする。
「随分とおとなしやかな題名になったのね」
慌てて英治が花子をフォローする。
「いや、ロマンチックでなかなかいいよ!」
「そうでしょう?」←花子
その時、門倉からの電話が鳴った。

「あの…題名なんですがね。小泉が“赤毛のアン”はどうだろうと言うんですが、いかがでしょう?」
門倉の電話の内容に花子は激怒する。
「はぁ?“赤毛のアン”?…あれだけ散々話し合って“窓辺に倚る少女”に決まったじゃないですか!」
「まあ、そうなんですけどね。“赤毛のアン”と聞いてなかなかいいじゃないかと僕も思いましてね~」
すると電話口に小泉が出る。
「村岡先生!小泉です!アンは赤毛を自分の最大の欠点だと思っていますよね?でもその欠点こそがアンを魅力的な人物像に仕立て上げていると僕は思うんです!つまりアンの素晴らしい個性です!」
小泉が力説するも花子は譲らなかった。
「私は反対です!だって“赤毛のアン”だなんて、あまりにも直接的で、それこそ想像の余地がないじゃないですか!」
「そう言わずに、考えて頂けませんか!?」
「嫌です!失礼します。ごきげんよう」

花子は一方的に電話を切り、英治と美里に不満を述べた。
「小泉さんったら“赤毛のアン”ですって!つまらない題名でしょう?“窓辺に倚る少女”の方がずっといいわよね?」
すると美里は“赤毛のアン”の方がいいと言いだす。
「“赤毛のアン”…いいじゃない!素晴らしいわ!断然“赤毛のアン”になさいよ!“赤毛のアン”っていい題名よ。“窓辺に倚る少女”なんておかしくって(笑)」
娘の感想に戸惑っていると、英治が花子に助言をする。
「そうだな…アンを読むのは若い人達だからね。美里の感覚の方が案外正しいのかもしれないよ」
「う~ん…そうかもしれないけど…」

― 花子は門倉に電話をする。
「もしもし、門倉社長ですか?村岡です。先ほどは大変失礼致しました。…ええ。いえ…あの…。実は…あの…。娘が“赤毛のアン”がいいと言って譲りませんの。若い人の感覚に任せる事にしました。やはり“赤毛のアン”にします」
花子の電話の内容に門倉と小泉は喜んだ。
「そうですか!」
「ありがとうございます!」
>こうして、“赤毛のアン”が誕生致しました。
 後日、小泉が製本された“赤毛のアン”の本を届けた。

― 花子は、英治と美里に“赤毛のアン”を一冊ずつ渡した。
「これは美里へ(笑)」
受け取った美里が本を開くと冒頭に『愛する美里へ―母より』と書かれてあった。
「英治さん、美里、諦めずに今日までやって来られたのは、2人の支えがあったからよ。本当にありがとう」
美里「おめでとう。お母様」
英治「おめでとう」

― 花子は“赤毛のアン”の翻訳に苦労したことを思い返していると英治が隣に座る。
「この女の子、本当に君みたいで面白いよ(笑)」
「スコット先生との約束を果たすのに13年もかかってしまったわ。先生にもお見せしたかった」
>スコット先生は、花子に原書を手渡した数年後、祖国カナダで亡くなったのです。

「明日、書店に並ぶのが楽しみだね。…どうしたの?」
「…この本、日本の少女たちも面白いと思ってくれるかしら?」
「曲がり角の先は、曲がってみなきゃわからないよ(笑)」
「そうね(笑)」

>1952年(昭和27年)5月10日、「赤毛のアン」が、ついに出版されました。
玄関に誰か来たので、花子が戸をあけると派手な服装の宇田川光代が立っていた。
「てっ…!お…お久しぶりです。どうなさったんですか?」
すると宇田川は花子を睨みながら“赤毛の本を”取り出した。
「何なのよ?これは」

花子とアン第155回の感想

明日で最終回とは思えない終わり方ですが…本当に明日で終わるんですよね?
正直なところ、出版化された今日の回が第120回目くらいであってほしかったです。
村岡花子さんをWikiで調べると、赤毛のアンが出版された1952年には“不思議の国のアリス”や“フランダースの犬”を出版していますし、“赤毛のアン”の続編やヘレンケラーの通訳なんかもして、これからますます面白くなりそうなのに…

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