『花子とアン』あらすじ第144回

1年ぶりに帰ってきた純平は祖母・浪子の仏壇に手を合わせた。
「おばあ様、ただいま戻りました」
純平は祖母に挨拶をすると母・蓮子に話し始める。
「この辺りは空襲で燃えなかったんですね。東京で空襲が始まってから心配していました」
「今、どこにいるの?」
「すいません…軍機だから、お母様にも言えません…」
「そう…いつまでいられるの?」
「明日の午後発ちます」
「じゃあ、今夜は泊まれるのね?」
「…よろしいですか?」
純平の質問に蓮子は笑顔を見せた。
「当たり前じゃないの。ここは、あなたの家ですよ(笑)」
「…父上は、あれから連絡はありませんか?」
「ええ…ねえ!お夕食は何がいいかしら?手に入るものは限られているけれど…」
「お母様の作るものであれば、何でも(笑)」
「まあ!そんなお世辞まで言えるようになったのね(笑)」

― 店に蓮子が現れたので、かよは驚いた。
「蓮子さん!?」
「…ごきげんよう、ご無沙汰しております」
「こちらこそ。あっ!どうぞ!本当にお久しぶりです」
「…今日は、お願いがあって参りました。入営している純平が、つい先程休暇で帰ってまいりました。お恥ずかしい話ですが今晩食べさせてやるものが何もなくて困っているんです…」
かよは、蓮子の申し出に嫌な顔をしなかった。
「分かりました。そういうことなら。ちょっと待ってて下さいね」

一方、その頃純平は花子の家を訪ねていた。
「大変、ご無沙汰しております」
「…お母様、お変わりない?」
花子は蓮子としばらく会っていない事を純平に告げた。
「やはりそうでしたか…母は以前花子おばさまの事をよく僕達に話していました。本当に楽しそうに。でも、ある時からパタリと何も言わなくなりました」
「ごめんなさい…私達、衝突してしまったの…お互い譲れない事があって」
「みんな離れていきます。うちは父も母も変わってますから。…母の事が心配です。花子おば様。何かあった時は、母を助けてやって下さい。お願いします!」
「純平君…」
「どうしても、それだけを花子おば様にお願いしたくて。お邪魔しました!」
純平は、帰ろうとしたが、花子に呼び止められる。
「待って!純平君!これ、今夜、皆さんで召し上がって。お母様もお好きな葡萄酒よ」
花子は吉平とふじが強引に持たせた葡萄酒を純平にプレゼントした。
「…いいんですか?こんなに貴重なもの…」
「味は保証できないの。甲府の実家の父が造ったブドウ酒だから(笑)」
「遠慮なく、頂きます!」
「…純平君、うちの歩も生きていたら、あなたと同じように今頃兵隊さんになって出征していたはず…あなたを送り出す蓮子さんの気持ちを思うとたまらないの。お母様のために必ず帰ってきなさい」
「母の事、どうかどうか、よろしくお願いします!」
純平は再び花子に頭を下げた。

― 純平が家に帰ると食卓には鍋料理が置かれてあった。
「どうしたんですか!?こんなご馳走!」
驚く純平を見て、蓮子がフフフと笑った。
「まるでおとぎの国から魔法使いがやって来たみたいでしょ?」
すると蓮子の娘・富士子が帰宅し、純平が帰宅していたことに驚いた。
「ただいま帰りました。…お兄様!?どうしたの!?」
「何でもない。ただの休暇だ(笑)」
富士子もまた蓮子が用意した鍋料理に目を丸くした。
「まあ!凄いご馳走!お鍋なんて何年ぶりかしら!もっとよく見たいわ!」
純平は鍋がよく見えるように部屋の明かりをつけた。
すると明かりに照らされ、蓮子は純平が持っていた瓶が見えた。
「これは?」
「ああ…大学の友人から貰ったんだ。今どき珍しいだろ?葡萄酒なんて(汗)」

― 夕食後、純平が葡萄酒を蓮子にすすめた。
「お母様は、もう飲まないんですか?」
「何だか今日は胸がいっぱいで…純平召し上がれ」
「はい。ゴクゴク…ああ、うまい(笑)」
「その葡萄酒は甲府のではないかしら?」
「・・・・・」
「そうなのね?」
純平は花子に会いに行ったことを蓮子に話し始めた。
「お母様のことをお願いしてきました。花子おば様に言われました。“お母様のためにも無事に帰ってきなさい”と。でも僕はお母様や富士子の為に戦って死ぬなら悔いはありません」
「純平、親より先に死ぬくらい親不孝なことはないのよ!」
「お母様、そんなこと言わないで下さい。どうか明日は笑顔で送り出して下さい」

― 翌日、純平は蓮子と富士子に見送られ、軍に戻っていく。
「純平!武運長久を祈っています」
「はい!」
純平は笑顔で敬礼し、家をあとにした。

― 1945年(昭和20年)4月15日
花子は自宅で“赤毛のアン”の翻訳作業をすすめていた。
『曲がり角をまがった先に何があるのかは分からないの。でも、それはきっと…きっと一番よいものに違いないと思うの』
その時、空襲警報が聞こえ、慌てて花子はラジオをつけた。

『東部軍管区司令部発表。22時15分現在、敵機の第1目標は相模湾より逐次帝都南西部地区に侵入するもようであります』
「お父様は!?」
美里が慌てた様子で花子に質問したので花子は夜勤で遅くなると説明。

空襲が始まり、花子の家もその被害をうける。
花子は火の粉によって燃え始めた原稿や本を必死にクッションで消すと、赤毛のアンの原本と辞書を持って、美里共に避難した。
花子は燃えさかる街を逃げながら『逃げ生きた証しとして、この本だけは訳したい』と思った

花子とアン第144回の感想

『甲州の葡萄酒でないのかしら?』って、さすが蓮子さん、伯爵家出身だけに舌がソムリエール級。まあ、それはいいとして、食べる物がないと目下絶縁状態の妹に頼みに行くのはどうなの?そして、家族がそんな事になっていると知らず連絡をよこさない父・龍一。脚本家の方は、よほど龍一を目の敵にしたいかのよう。とりあえず、今日で第1話と繋がったわけですが第1話で施されていた特殊メイクは、見送ったんですね。

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