『花子とアン』あらすじ第138回

>1941年、昭和16年12月8日、日本は太平洋戦争へと、突入したのでした。
花子の家には、ラジオを聴きに近所の人間も集まってくる。
ラジオからは音楽(軍歌?)が聞こえるだけだった。
「なかなか新しいニュース、流れないわね…」
「国陸海軍はアメリカ、イギリスと戦闘状態に入って、その後どうなったんだろ?」
「今日は一日、ラジオ放送はこの調子だろうな…」
ももや英治達が会話する中、花子は“コドモの新聞”の放送が気になっていた。
「“コドモの新聞”の放送はどうなるのかしら」
「来なくていいって君に連絡があったんだから別の番組をやるんじゃないかな?こんな調子で、軍歌や「軍艦マーチ」を流すんだよ」
英治が応えると、ラジオからチャイム音が聞こえ続いて有馬の声が聞こえてくる。

「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。帝国海軍はハワイ方面のアメリカ艦隊ならびに航空兵力に対し決死の大空襲を敢行し、シンガポール、その他も大爆撃しました」
有馬の放送に、かよの店にいた客達は大いにわいた。
「こりゃあ勝ち戦だ!万歳ー!」
盛り上がった客達は、かよに次々に酒を注文し始めた。

― 花子の家でも放送の内容にわいていた。
「万歳!万歳ー!日本軍やりましたね!」
旭達が喜ぶ中、花子は一人浮かない表情を浮かべていた。
「…私、やっぱりJOAKに行ってくるわ」
「えっ?…今日は、いいって言われたんだろ?」
「でも、ひょっとしたら“コドモの新聞”の放送をやるかもしれないから…」
花子は懸念していることを英治に伝えラジオ局へ向かった。

― ラジオ局に到着すると多くの職員が忙しそうに飛び回っていた。
会議室を覗く花子に黒沢が気がつき、部屋の外に連れ出した。
「村岡先生、どうなさったんですか?」
「休むようご連絡頂いたんですけど、どうしてもこの番組の事が気になってしまって…」
するとそこへ不敵な笑みを浮かべた漆原がやってくる。
「これはこれは、村岡先生。本日はいらっしゃらなくて結構でしたのに(笑)」
「漆原部長、今日の“コドモの新聞”の放送はどうなるんでしょう?」
「ああ~それなら、お気になさらず(笑)」
「内閣情報局の方で、その時間帯に重要な放送をする事が決定しましたので“コドモの新聞”の放送は、見合わせます」
「そうですか…」
そしてあざ笑うかのように漆原が花子に喋り出した。
「アメリカ、イギリス軍と、戦闘状態に入ったという事は非常に勇ましいニュースですから、いらっしゃらなくて結構と申し上げたんです。これほど重要なニュースを女の声で伝えるのはよろしくありませんから(笑)」

そこへ鋭い目つきをした男性たちがやってくる。
>先頭をやって来るのは、情報局を取り仕切る、偉い役人です。
「皆様、ご苦労さまでございます。制作部長の漆原でございます。こちらに」
漆原はそういって男性達を案内していった。

― 情報局情報課長の進藤は原稿を手にマイクの前に座っていた。
咳払いをすると横に立っていた有馬が助言を施す。
「僭越ながら原稿は抑揚をつけず淡々とお読み下さい。発音、滑舌に、特に注意を払ってお読み頂くと、よろしいかと思います」
進藤は無言で部下達に合図を送ると、有馬はたちまち部屋の外へ連れ出されてしまう。

― 6時前になり“コドモの新聞”の時間が近づいてくる。
「お母様今日は何のお話するのかな?」
美里が花子のラジオを心待ちにしているので英治が説明する。
「今日は、お母様のお話はないみたいだ」
「えっ?だってお母様ラジオ局へ行ったんでしょう?」
その時、チャイムがなり、進藤の興奮した声が聞こえてくる。

『国民の方々!ラジオの前にお集まりください!いよいよその時が来ました!国民総進軍の時が来ました!政府と国民がガッチリと一つになり、1億の国民が互いに手を取り互いに助け合って進まなければなりません!政府は放送によりまして国民の方々に対し国家の赴くところ国民の進むべきところをはっきりと、お伝え致します!国民の方々は…』

進藤の放送を部屋の後ろから花子と見ていた有馬が寂しそうに呟いた。
「あんな…雄たけびを上げるかのように原稿を読んで…原稿を読む人間が感情を入れてはいけない。それをあんな一方的に押し付けるような…」
「有馬さん…」
「今日からラジオ放送の在り方は変わってしまう…」

― 収録を終えた進藤を漆原がねぎらった。
「素晴らしい放送でした!感動しました!」
漆原と進藤が放送室から出たとき、廊下にいた花子と鉢合わせになる。
「まだいたのかね?ああ…こちら、子供向けの番組を担当する村岡花子女史です」
横にいた黒沢が花子は語り手として子供に人気がある先生だと進藤に説明した。
すると進藤は花子に声をかけてくる。
「国論統一のために、今後一層ラジオ放送は重要になります。放送を通じて子供達をよき少国民へと導く事を期待します」

進藤が去るとすぐに花子は漆原と黒沢を呼び止めた。
「あの…漆原部長。黒沢さん。お話があります。今日限りで“コドモの新聞”を辞めさせて頂きます私の口から戦争のニュースを子供達に放送する事はできません」
花子の言葉に漆原は半ば呆れた顔をした。
「村岡先生…たった今情報局情報課長からあんなにありがたいお言葉を賜ったばかりでしょうが!」
「それで決心がつきました」
「いいでしょう…。お辞め下さって結構です。ラジオを通じて国民の心を一つにしようという時に…。あなたは所詮、ごきげんようのおばさんだ!」
激怒した漆原は花子に侮蔑の言葉を投げ去っていってしまう。

花子は後ろにいた有馬に挨拶をした。
「有馬さん。後をお願いします」
「…私は感情を込めず正しい発音、滑舌に注意して一字一句正確に原稿を読み続けます」
「お世話になりました」
「お疲れ様でした…」

ラジオ局を去る間際、黒沢が手紙を渡してくる。
「村岡先生。これ、持っていらして下さい。村岡先生宛てに届いた、子供たちからの手紙です。お考えは、変わりませんか?」
「はい」
「そうですか…。残念です」
「申し訳ありません。9年間、お世話になりました」
>日本はとうとう、大きな曲がり角を曲がってしまいました。

花子とアン第138回の感想

さっきテレビつけたら宮本龍一役の中島歩さんが出てました。2013年俳優デビューとかなのでまだ日が浅いんですね。全部見てないので解りませんが、他のネットを読むと美輪さんの舞台でデビュー、そのまま美輪さんの推薦で『花子とアン』の宮本龍一になったとか…。美輪さんの権力、ハンパない(笑)。…で、今日の回、冒頭のシーンは物凄い違和感がありました。蓮子や龍一がラジオの放送内容に難しい顔をするのはわかりますが、花子だけがラジオそっちのけで『ラジオ局行ってくる!』って…。いや、些細なことなんですけどね(笑)

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