『花子とアン』あらすじ第135回

― 蓮子に誤解されたまま、花子と英治は浪子に追い返される。
「どうなるのかしら…」
家に帰った花子は表情を曇らせる。
すると英治が心配そうに花子に助言をした。
「僕はお兄さんの忠告に従ったほうがいいと思う。これ以上深入りしたら君まで巻き込まれるよ」

― ある日、沈んだ顔をした蓮子が宮本家に帰ってきた。
「どした?やっぱり龍一には会わせてもらえなかったのかい?」
浪子が声をかけると蓮子は『ええ…』と答えた。
「家族にも会わせてもらえないなんてね…」
「…申し訳ありません」
蓮子は浪子に頭を下げると純平が口を尖らせた。
「お母様が謝る事なんてない。悪いのは、お父様だ!」

花子はいつものようにラジオ番組で戦争についてのニュース原稿を読んでいた。
『皆さんは戦地の兵隊さんが安心して戦え、誉の凱旋ができますように、お家のお手伝いをし、しっかりお勉強致しましょう。それでは皆さん。ごきげんよう。さようなら』
収録が終わると花子は、黒沢に声をかけた。
「お疲れ様でした。あの…黒沢さん、ご相談したい事があります…」

別室で花子は向かい合って座る黒沢に自分の考えを述べた。
「私…このまま語り手を続けていくべきなのかどうか、分からなくなりました。私は子供達がワクワクするような話がしたくて、この番組をお引き受けしました。これ以上、戦争のニュースばかり読み続けるのなら私ではなく有馬さんお一人で読まれた方がよろしいんじゃないでしょうか?」
「…子供達は村岡先生の“ごきげんよう”を待っているんです。“ごきげんよう”という先生の挨拶を聞くために、ラジオの前に集まってくるんです。こういう時だからこそ、僕は、村岡先生の“ごきげんよう”が子供達の心を明るく照らすのだと思います。どうか、続けて下さい。お願いします!」
黒沢は席を立ち上がり、深々と花子に頭を下げた。

― 自宅でリスナー(子供達)からのファンレターを読んでいると蓮子から電話がかかってくる。

花子がかよの店に到着すると蓮子は既に待っていた。
「蓮様。ごきげんよう。お電話ありがとう」
「はなちゃん…この間はごめんなさい。龍一さんが連れて行かれて、あの日はすっかり取り乱していて…はなちゃんが密告なんかするわけないのに…本当にごめんなさい」
「いいのよ。私こそ何も力になれなくてごめんなさい。あれから龍一さんは?」
「差し入れを持って会いに行ったけれど、会わせてもらえないの…お願い!はなちゃん。吉太郎さんに頼んで龍一さんが、どんな状況か聞いて欲しいの。できれば、これも、渡してほしいの。疑われるようなものは入ってないわ。着替えと、彼の好きな、ランボーの詩集よ。それから、私と、富士子からの手紙」
蓮子は大きな包みを花子に見せた。
「…手紙は全て読まれてしまうわ。蓮様の事だから、きっと熱烈な恋文なんでしょ?…分かったわ。兄やんに頼んでみる。…こんなに思ってくれる奥様がいるのに…どうして龍一さん、そんな危険な活動に加わってしまったのかしら…」
「でも龍一さんは間違った事はしていないわ。あの人は誰よりも子供達の将来の事を考えているわ。だから今の国策に我慢できないのよ。はなちゃんも、この間ラジオで言ってたわよね?“戦地の兵隊さんが誉の凱旋ができるようお家でお手伝いをして、しっかり、お勉強致しましょう”って。まるで“みんな頑張って強い兵隊になれ”と言っているように聞こえたわ」
「あのニュース原稿は…」
「はなちゃんも…誰かに読まされているんでしょう?そうやって戦争をしたくてたまらない人達が国民を扇動しているのよ!」
興奮してきた蓮子の声が、店にひびいた。
花子は周りの客が気になり、止めようとするが、蓮子はそのまま喋る続けた。
「私は戦地へやるために純平を産んで育ててきたんじゃないわ!」

蓮子が叫んだとき、男性客が店を出ていってしまう。
店の客は花子と蓮子だけになり、かよは二人に珈琲とサイダーを運んだ。
「はい。美味しいコーヒーを入れましたよ。お姉やんにはサイダー(笑)」
「ごめんなさい。かよさん…」
蓮子は、かよに客を帰らせた事を謝るが、かよは笑顔を見せる。
「どうぞごゆっくり。誰もいなくなったから大きな声で話しても大丈夫ですよ(笑)」

かよが店の奥へ行くと、花子は蓮子に注意を促した。
「蓮様、さっきのような考えを口にするのは今は慎んだ方がいいと思うわ。蓮様まで捕まったらどうするの?」
「はなちゃんは本当はどう思っているの?マイクの前で日本軍がどこを攻撃したとか占領したとか、そんなニュースばかり読んで。ああいうニュースを毎日毎日聞かされたら純粋な子供達はたちまち感化されてしまうわ。お国の為に命を捧げるのが立派だと思ってしまう。」
「私だって戦争のニュースばかり伝えたくないわ。でも、こういう時だからこそ子供達の心を少しでも明るくしたいの。私の“ごきげんよう”の挨拶を待ってくれる子供達がいる限り私は語り手を続けるわ」
「そんなのは偽善よ。優しい言葉で語りかけて子供達を恐ろしいところへ導いているかもしれないのよ!?」
「そんな…私一人が抵抗したところで世の中の流れを止める事なんかできないわ!大きな波が迫ってきているの。その波にのまれるか乗り越えられるかは誰も分からない。私達の想像を遥かに超えた大きい波なんですもの。私もすごく恐ろしい…でも、その波に逆らったら今の暮らしも何もかも失ってしまう。大切な家族さえ守れなくなるのよ」

花子の言い分を聞いた蓮子は、荷物を持って席を立ち上がった。
「…やっぱりもううちの家族とは関わらないほうがいいわ。こんなこと頼んだ私が間違ってた。忘れてちょうだい」
「待って!私は蓮様が心配なの。真っ直ぐで危なっかしくて…」
「心配ご無用よ。私を誰だと思っているの?華族の身分も何もかも捨てて駆け落ちした宮本蓮子よ?私は時代の波に平伏したりしない。世の中がどこへ向かおうと言いたい事を言う。書きたい事を書くわ。あなたのように卑怯な生き方はしたくないの」
「そう…分かったわ。私達…生きる道が違ってしまったわね。これまでの友情には感謝します」
「ええ。さようなら」
「お元気で」
>2人の道は、もう交わる事はないのでしょうか。

花子とアン第135回の感想

映画やドラマを集中して見ていても、たまに台詞の言い回しがひっかかって、一気に冷めるなんて事ありません?私にとって、今日その現象が起きました(笑)
蓮子が花子に連絡をし、『取り乱していたのでつい訳のわからん事を言って傷つけた、ゴメン』という和解提案。花子も了承。その矢先、互いの言論のスタンスの違いにより、蓮子がぶち切れ『私を誰だと思ってるの?華族の身分も何もかも捨てて駆け落ちした宮本蓮子よ!』…ドラマというより舞台です。
それと実際の村岡花子さんは戦争に対して賛成的な立場をとっていたらしいですが、このドラマは“言わされている”という結構、白に近いグレーな感じですすむようです。
確かにグレーにした方が都合がいいのかもしれませんが、『生きる道が違う』と断言する程ではないように感じますが…いかがでしょう。
その点は、前作の『ごちそうさん』の主人公のキャラは明白で私にとっては理解しやすかったです。

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