『花子とアン』あらすじ最終回(第156回)

「敗戦後、私が筆を折っていたのはご存知?」
宇田川の質問に花子は、うなづいた。
「…ええ」
「何を書くべきか分からなくなってしまったの。7年間、宇多川満代は、がらんどうだった。
その私が…また書けるような気がするの!…ありがとう!」
宇田川が感謝の言葉を口にしたので花子は驚いた。
「…宇田川先生」
「あなたじゃなくて、赤毛のアンにお礼を言ったのよ!」

花子はお茶を入れようとするが、宇田川は凄い勢いで家を飛び出す。
「宇田川先生!」
花子は慌てて本を持って追いかけるが、宇田川は振り返らず急ぎ足で去っていった。
「もう書きたい言葉が溢れているんだから邪魔しないでー!」

>赤毛のアンはたちまちベストセラーになりました。
甲府では、亜矢子が義母・ふじに赤毛のアンを読んでいた。
『プリンス・エドワード島は世界中で一番綺麗なところだっていつもきいてましたから、自分がそこに住んでいるところをよく想像していましたけれど、まさか本当にそうなるなんて夢にも思わなかったわ』

『もう驚きもしないし、あんた方を気の毒とは思いませんよ』
朝市は母・リンに読み聞かせていたが、リンは本のないように腹をたてていた。
「このリンド夫人ちゅうのは口やかましくて人騒がせなおばさんじゃんねー!」

『貧乏な者の幸せな1つはたくさん想像できるものがあるというところだわね』
徳丸武も父・甚之介に赤毛のアンを読み聞かせた。
そして、蓮子も夫・龍一の前で朗読する。
『愛すべき懐かしき世界よ、あなたはなんて美しいのでしょう。ここで暮らす事ができてこの上なく嬉しいわ』
部屋には龍一と蓮子が対談を交わした記事が掲載された新聞が置かれていた。

『小さな手が自分の手に触れた時、なにか身内の温まるような快いものがマリラの胸にわきあがった。たぶんこれまで味わなかった母性愛であろう』
『重なって行く日々は一年と名付けられたネックレスに連ねられた黄金の玉にもアンには思われた。』
かよは、引き取った養女二人に、旭はももにそれぞれ朗読する。
そして、花子と亜矢子の先輩である(旧姓:白鳥)かをる子も赤毛のアンを読んでいた。
『自分が美人なのが一番素敵だけれどそれは私には駄目だから、その次に素敵な事は美人の腹心の共を持つ事だわ』

― そんなある日、赤毛のアンの出版の成功を祝うパーティが開かれる。
亜矢子と蓮子は廊下で必死に原稿を書いている花子に声をかけた。
「はなさん、間に合いそう?大丈夫?」
「…話したい事が次から次へとあふれてくるの」
花子が困惑した表情を浮かべると、英治と小鳩出版の小泉、門倉がやってくる。
「村岡先生、新聞や雑誌から取材が殺到しています。後でお時間ください」
小泉が花子に頼むと門倉の口から意外な言葉がでる。
「その前に続編の打合せだよ。赤毛のアンの続編を出したいんです!」
「てっ!?続編!?」
すると英治が英治が一冊の本を花子に渡した。
「はい。君が読むのを我慢していた“ANNE OF AVONLEA”今日の御祝いにもってきたんだけど、ちょうどよかったね(笑)」

「ルーシー・モード・モンドゴメリというカナダの作家と村岡花子君は写し鏡のように重なり合うんですありふれた日常を輝きに換える言葉がちりばめられたこの小説はまさに非凡に通じる洗練された平凡であります。必ず時代を超えて読み継がれるベストセラーになることでしょう!」
 壇上での梶原のスピーチが終わると花子が呼ばれる。
「では最後に日本語版、赤毛のアンの生みの親でもある村岡花子先生に誤答団いただきましょう」
小泉がマイクに向かって話すが、花子の姿はいっこうに現れなかった。
英治が会場の外に行くと花子は赤毛のアンの続編を廊下でよみふけっていた。
慌ててかけよると、花子は解らない英単語について考えていた
「cantankerous…cantankerous…英治さん、辞書はないかしら?」
「花子さん!みんな、君のスピーチを待ってるんだよ!いそいで!!」
英治は花子を会場に連れて行った。

― 花子は緊張しながら壇上に立ち、一礼するとスピーチをはじめた。
「ほ…本日はこんなに大勢の皆様に赤毛のアンの出版を祝って頂き、こんなに幸せなことはありません。私は本の力を信じています。一冊の本が心の支えとなって自分を絶えず励まし勇気づけてくれるのです。私にとって“ANNE of GREEN GABLES”は、その一冊でした。
主人公をとりまいている世界は私が修和女学校の寄宿舎で過ごした日々とあまりにも似ていました。厳しいけど深い愛情をもつマリラは、まるで校長のブラックバーン先生のようでした。腹心の友、ダイアナは私が寄宿舎で出会った2人の大切な親友です。彼女達は生涯を通じて私の腹心の友となってくれました」
花子のスピーチを聞いていた亜矢子は驚いた。
「2人…私も…?」
蓮子は亜矢子にニコリと笑顔を見せた。

「この本との出会いは運命のように思いました。13年前、ミス.スコットと約束しました。『平和が訪れた時、必ずこの本を翻訳して日本の多くの人に読んでもらいます』と。けれど日本は大きな曲がり角を曲がり、戦争は激しくなる一方でした。どんなに不安で暗い夜でも必ず開けて朝がやって来ます。
そして曲がり角の先にはきっと一番いいものが待っている。それは物語の中でアンが教えてくれた事でした。私の今までの人生を振り返ってもいくつもの曲がり角を曲がってきました。関東大震災、愛する息子の死、戦争…おもいがけないところで曲がり角を曲がり、見通しの利かない細い道を歩く事になったとしてもそこにも優しい心幸福友情などの美しい花が咲いていると今は強く信じています。アンのように勇気を出して歩いて行けば、曲がり角の先にはきっときっと美しい景色が待っています。日本中にアンの腹心の友ができますように(笑)」
花子がスピーチを終えると、会場からは拍手が沸き起こった。

花子は壇上から降りると小泉や英治が呼び止めるのもきかずに走って会場をあとにする。
家に到着すると花子は気になっていた単語について辞書をひきはじめる。
「cantankerous…“意地悪な”“気難しい”…か(笑)」
花子は、英治から受け取った赤毛のアンの続編の本を開いた。

『ある気持ちのよい8月の午後のこと。プリンスエドワード島の一軒の農家の玄関先、赤い砂岩の踏み台の上に背の高いほっそりとした少女が座っていた』

ふと花子が見上げると麦藁帽子の幻を見えた。
>花子が命がけで守り、愛と友情をこめて翻訳した赤毛のアンは昭和から平成の時代を経て今なお多くの人々に読み継がれ希望を与えています。

『アンの心ははるか彼方の素晴しい世界へ飛び去っていた』

花子とアン第156回(最終回)の感想

宇田川先生の冒頭の感謝から始まって今日はどんな最終回になるかドキドキして観ましたが、うん、なんか綺麗な感じで終わりましたね。かをる子様を登場させるなら、梶原編集長の妻となった富山先生も見たかったな~。
まあ、とりあえず存命で主要なキャラが赤毛のアンを読むという展開はよかった。そういえば、特にかよがマリラの母性についての箇所を読む所は、ジーンときました。
半年間、つたない文章にも関わらずお付き合いしていただきありがとうございました。
来週から『マッサン』ブログとなりますが、またたまにでいいので読んでくれたら嬉しいです。

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